ITエンジニアの九十九折

これまで生きて来て、自身が色々と経験したこと、また思いや考えについて、思いつくままに綴ってみたいという衝動に駆られて開設しました。 このタイトル同様に、本ブログがどこに向かって行くのか、自分でも定かではありませんが、良かったら立ち寄ってください。

Monday, October 30, 2006

12.プロジェクトマネジャーという立場(858字)

プロジェクトは、何もIT(情報技術)分野だけに限りませんが、プロジェクトマネジャーを「プロマネ」と略して呼ぶときは、ITプロジェクトのそれを指すことが多いように思われます。

私も過去において、大小幾つものITプロジェクトに参加し、さまざまな仕事に携わって来ました。そしてキャリアの中盤からはプロジェクトの中のリーダとして指揮を取ることもだんだん増えて来て、①顧客と仕様を決める、②スケジュールを立てる、③コストをはじく、④進捗を管理する、⑤成果物を検査する、⑥メンバをケアする等と言ったプロマネとしてのタスクを試行錯誤の連続で行なって来たというのが偽らざる実感です。

プロマネは通常、当該プロジェクトの管理を専門で実施することを職務としますが、雑用係でもあり、顧客からの苦情係を引き受けることすらあります。

またメンバが上手く調達できない場合や納期に間に合わない事態に陥ると、自らが設計や作業の一部を担当してみたりと、プロジェクトにおけるオールラウンド・プレーヤーとしての働きが必要となることもあります。

しかし、こうした一所懸命の働きにも関わらず、①プロマネの人材が足りない、②失敗はプロマネの力量にあり、③ノウハウの発揮を個人に委ねており、組織としてのパワーになっていない等辛口の批判に満ちていて、最近は割を喰う職業だとすら思われていることを耳にします。

いわゆる、縁の下の力持ちこそがプロマネの真骨頂であり、いかに優秀なITエンジニアを多数抱えていたとしても、演出家(指揮者)としてのプロマネが存在しなければ、それは烏合の衆となり、顧客が望むパフォーマンスを発揮することはできないのです。

プロマネを今後、泥臭くても魅力的な職業とするために、以下の三つを提言・実践して行きたいと考えています。
①経験値を形式知化する(できれば組織全体で)
②標準化された技法を身につけ、展開する(例えば、PMBOK)
③組織成熟度のアップに取組む(例えば、CMMI)

専門用語の解説は、以下のURLより
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/cmm.html
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/pmbok.html

Sunday, October 29, 2006

11.「シンジラレナーイ」の本当の勝因(1,387字)

今年のプロ野球日本シリーズは、大方の戦前予想を覆し、劣勢と目された日本ハムファイターズが、公式戦終盤の勢いそのままに、セ・リーグ覇者中日ドラゴンズを4勝1敗で退けました。

中日ファンには落合監督の公式戦通りに選手の自主性を重んじた余裕?の采配に、「勝機を見誤った」と悔しい思いで一杯のことだろうと思います。来年こそは貪欲に勝負にこだわり、半世紀以上見放された日本一の美酒に酔うために再起を期したいところです。

さて、本日のテーマは、おそらく今年の流行語大賞候補になるであろうヒルマン監督の「シンジラレナーイ」という雄たけびに集約されるファイターズの勝因を簡単に振り返ることを試みようと思います。

ファイターズは、地域密着戦略を展開すべく、3年前に長年慣れ親しんだ東京を離れ、北の大地札幌に本拠地を移す決断をしました。
移転前は、パ・リーグの人気球団であるライオンズやホークスを迎えても東京ドームが6割程度しか埋まらないガラガラのスタンドを見て、巨人とセ・リーグ中心のプロ野球が今後隆盛を保つことができるのだろうかと首をひねりながら観戦したものでした。

ファイターズは移転の前年辺りから、GMに高田繁氏(元日本ハム監督)を迎えて球団経営の方針を転換し、その次に、独自の人材評価システムを構築し、そのシステムから要求される人材を、ポテンシャルを重視して、隠れた逸材を探すというスカウティングを地道に続けて来ました。資金を持たないならば知恵を使えば良いという好事例ではないでしょうか?

その結果が、投手では新人の八木、武田勝、抑え役のマイケルであり、野手では1・2番コンビの森本や田中賢に象徴されると思います。

失礼ながら、いずれの選手も新人選択(ドラフト)会議で複数球団が競合するほどの注目選手ではなかったのだと思います。しかし、指名するに当たっては、人材評価システムの評価基準に当てはめて、ポジション別に補強して行き、練習で鍛え上げて、徐々に実力を蓄え、今年、大きく開花するに至ったのです。

昨年も中盤までは3位争いを演じていましたが、コマ不足に泣いて失速し、結局、プレーオフ進出を逃していました。

今年は昨年の反省を踏まえて、キャンプに取組み、そして、ヒルマン監督も米国流の采配を捨て、日本流を取り入れたことが奏効し、夏場から他球団が一進一退を繰り広げる中で、最終盤に地力を見せてトップに立ち、プレーオフでも相手を寄せ付けない強さを発揮しました。

もちろん、他にファクターがないかと言えば、「新庄劇場」の演出効果も抜群でファンを呼び込むことができました。しかし、一番の功労者は、地域全体でファイターズを応援し、注目することで選手を育て、その気にさせたファンかもしれません。それが、優勝監督インタビューで監督が答えた「北海道の皆さんは世界で一番です。」につながったということもできそうです。

今やプロ野球は全国型から地域密着型の新しい時代へ突入し、ナショナルブランドは読売巨人だけと言ってよいほどです。来年からはセ・リーグも同じ方式でプレーオフを戦い、勝者が日本シリーズに進出します。そこにはどんなドラマティックな展開が待っているか、新しいファンを掴む試金石になることが予想されます。

ファイターズの人材評価システムについては、NHKの番組で取り上げられました。http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2006/0610-3.html#tue

Wednesday, October 25, 2006

10.Winnyと著作権(865字)

今年の春先、世間をあっと言わせ社会問題化したWinnyのウィルスに起因した機密情報(個人情報を含みます)の相次ぐ流出事件は、まだ記憶に新しいところです。

ここに来てさすがに皆が危機意識を持ち始めて、対策が進んで沈静化したためか、マスコミで報道されるインターバルは長くなっているように思われます。

さて、Winnyと言えば、即座に情報漏えいを引き起こす恐ろしいソフトウェアだと思い浮かべる方が多いと思いますが、実はもう一つ、厄介な問題を内包しているのです。

それが著作権です。Winnyはファイル交換ソフト(共有ソフトとも)と呼ばれる通り、インターネット上に利用者同士で一つの閉じたネットワーク(Winnyネットワーク)を形成し、その中で、ファイルをやり取りすることができます。

この閉じたネットワークの中では、自由に、そして簡単にファイルの交換が可能になっていることと、当事者間で権利と義務の関係が曖昧になっていることもあって、本来、著作権で保護されるべきファイルが交換される温床になっているのです。なお、人気のある交換ファイルとして、①アニメ、②マンガ、③ポルノ、④音楽、⑤映画、⑥ゲームがあるそうです。

現在、京都地裁では、Winny開発者に対する公判が行なわれており、検察側は著作権法違反のほう助罪で起訴(懲役1年を求刑)し、今年の12月13日には判決が下される予定です。

ここで気をつけたいのは、Winnyというソフトウェア自体を違法だと言っているのではなく、著作権法違反を容易ならしめたという罪で問われていることです。

ソフトウェアに関して言えば、当該公判の席で、村井純慶応大学教授も、「極めて洗練されたソフト」と証言しているように、プログラム自体は優れているのです。しかし、いかに優れていても使い方を誤ると、社会全体を混乱に落とし入れ、刑罰を受けることにもつながり兼ねませんということです。

本稿の作成に当たっては、武田圭史氏および高橋郁夫氏の講演を参考にしました。両氏のホームページは以下を参照してください。
http://motivate.jp/
http://www.comit.jp/

Tuesday, October 24, 2006

09.いじめの心象風景(869字)

最近、教師のいじめが起因したと見られる生徒の自殺が相次いで起きました。

「24の瞳」(壷井栄)や「やまびこ学級」(無着正恭・生活綴り方)などと言うのどかで、かつ優れた文学作品や教育が、はるかかなたの遠い昔に遠ざかってしまうほど、インパクトのある事件だと思います。
現状を見ると、日本は一体、どうなってしまったんだと目を覆いたくすらなります。教育崩壊という言葉もしばしば聞かれますが、サラリーマンと化して、教える実力も資格もないような人が教壇に立っていることを考えると、末恐ろしくすらなります。

自分が生徒だった頃を振り返ると、小学校時代は先生の言うことを聞かずにたびたびげんこつをもらい、中学校では校区外の小学校の屋根に上ったり、音楽の授業中にガムやチョコを食べたのが見つかったりして、連帯責任で平手(ビンタ)を受けたことがありました。
しかし、当時の教師は、本気で叱り、また叱られた方も罪の意識を持ち、反省したものでした。(時々は嫌味を言う先生もいることはいました。)

ところが、最近の教師によるいじめはどうでしょうか。特定の生徒に言葉の攻撃や体罰等を加え、寄ってたかって攻撃している光景が目に浮かんで来ます。
そこには、行為の目的も愛のむちも何も見えて来ません。すなわちいじめであり、教師の立場を利用したパワー・ハラスメントであると思います。利己心を満たすだけの行為にしか見えないのです。そして、心の拠りどころを持たず、被害者を追い込むときの手加減ができていないように思われます。コンプレックスの反動でしょうか。

利他心や相手に思いを馳せる(思いやり)という人間としての豊かな情愛の未発達が大いに気になるところです。

もちろん、そんな教師は全体のほんの一部だと思いたいのですが、政府が主導する教育再生プログラムによって教師を再生させて行くだけで本当に学校や教育が変わるのか、未就学児を持つ親として、行く末が非常に心配されるこの頃です。

鶏卵問題かもしれませんが、いじめの根絶のためには、まずは、大人社会が変革されて行くべきだと強く感じています。

Sunday, October 22, 2006

08.RJPと会社の白い嘘(うそ)(1,167字)

最近、『日本経済新聞』や『日経産業新聞』等に目を通していると、国内の景気回復や企業の業績拡大、そして2007年問題(団塊の世代の大量定年退職)を背景・目的とした新卒採用、中途採用が活発に行なわれていることが連日のように報道されています。

本日紹介しようと思っているRJPとは、Realistic Job Preview の頭字語(acronym)で、「現実主義的な仕事情報の事前提供」と翻訳されます。

もう少しわかり易く言うと、「現実をしっかりと踏まえた仕事の様(さま)を入社前で仕事に就く前から、できる限り正確に応募者に伝えること」を指すようです。

RJPが私達のもっとも身近に存在するものとしては、入社説明会、企業の公開ホームページ、そして会社案内等が挙げられます。ところで皆さんは、最近、自分の会社の会社案内を見たことがありますか?会社案内は入社してしまうと、営業職やそれを編集するセクションにでも配属されない限り、改めて見る機会はそう多くはありません。

しかし、入社して会社の実情がわかった現在(いま)だからこそ、会社案内を隅々までしっかりと読み直
して欲しいと思います。そこにはどんなことが書かれていますか。
入社前は、経営の理念に惹かれ、憧れを抱いていたことが色褪せてしまったり、忘れていたことを思い出すかもしれません。しかし、もう少しつぶさに見て行くと、もっと重要なことに気づくと思います。

あなたは現在、会社案内に載っていない仕事を担当しているかもしれませんし、記述内容に白々しさを感じているかもしれません。例えば、縮退事業についてはどんなふうに書かれていますか。それが、「白い嘘」です。
偽ったことを語ると文字通り、「黒い嘘」になりますが、大切なことを故意に語らないことを「白い嘘」と言うそうです。

会社案内には基本的に黒い嘘は記述されていないわけ(もし、書かれているとしたら犯罪的行為と疑われます)ですが、白い嘘は混ざっていると考えられます。そのため、会社案内は読んでいるとどうしても良いイメージだけで覆われ、いつの間にか、それに引き込まれて行くことになります。
そして、現実の事業展開とのギャップが大きいほど、入社後に失敗したと感じることが多くなるものです。たとえ、どんどん事業を拡大している会社でさえ、そこで働く従業員はギャップを感じていることが少なくないと思います。

もう来年の新卒採用は内定者を出してピークを過ぎ、学生は今頃、卒業に向けて最後の学業生活をエンジョイしている頃でしょう。また、中途採用の場合は、転職があてはまりますが、どちらの場合でも、RJPの表面的な要素だけで判断するのでなく、客観的な事実や情報をできる限り多く取得した上で、採用・転職活動を実施して欲しいものだと思います。

参考:『働く人のためのキャリア・デザイン』金井壽宏著(PHP研究所)

Thursday, October 19, 2006

07.究極の思想・思考(1,277字)

今日は大変難しいテーマに取組もうとしています。

先月、後輩の細君が若くして亡くなり、お通夜へ参列して来ました。末席へ座り、読経が続く中、顔を上げて前方を見回すと、親族席には、両方のご両親が着席され、その隣には喪主である彼と二人の子供たちが座っていました(「子供と葬式はどうも合わんな」と元上司が口にしていましたが、まったくその通りです)。

その光景を見ながら、「彼はこれから二人の子供たちを成人するまで面倒を見て育てることになるんだな。パートナーが欲しいと何度思うことだろうか。子供たちもまだ小さいから、母親を失った大きさは計り知れず、恋しくて泣き、そして寂しさを背負って生きて行くことになって行くのかな。」などと想起しているうちに、次第に私も涙で溢れてしまいました。
人にはどんな運命が待ち受けているかわからず、人生の無常を感じずにはいられない瞬間となりました。奥様には改めてご冥福をお祈りいたします。

さて、今年読んだ本の中で特に印象に残っているものとして、『南無阿弥陀仏』柳宗悦著(岩波文庫)があります。

ここで仏教の教義をぶつつもりは毛頭ありませんが、著書の内容を少しかいつまんで紹介したいと思います。南無阿弥陀仏とは浄土真宗の念仏で、「なむあみだぶつ」、「なんまんだー」等と唱えられています。

著者によると、浄土真宗の思想は南無阿弥陀仏の6字、たったの6文字で思想が凝縮されていると言うのです。仏教の宗派は数多く存在し、また世界中にはその他の宗教も幾十もあるわけですが、根本(末法)思想の短さで言うと、浄土真宗よりも短いものは他にないと書かれています。

この思想をここまで敷衍(ふえん)させて行く道のりは、法然、親鸞、そして一遍上人へと三代を経て、ようやく完成されたそうです。しかし、一つの完成を見るまでには、法然や親鸞は時の政府に迫害され、流刑も受けており、その間、幾多の困難の道を歩んでおり、成就の過程において、この事実を決して見逃すことはできないと思います。
なお、三上人の生年-没年は以下の通りです。法然(1133-1212)、親鸞(1173-1262)、一遍(1239-1289)

ところで、浄土真宗の真骨頂は仏教を自力門から他力門へ、さらに上流から下流階級(農民層)へと信仰の輪を広げたことにあります。
当時の特権階級(僧侶や貴族)が持っている難しい経文や知識を必要とせず、多くの無学な民衆は、ただ6文字を念仏として唱え続け、一心に唱え続けることによって、無我の境地へといざなわれ、往生を遂げて、仏(ほとけ)となることができると説いて、民衆の圧倒的な支持を受けたと言われています。

著者は宗教以上の思想はないとも言っています。現代は葬式仏教と言われたり、カルト教団の横行によって、宗教を取り巻く環境は往時とは雲泥の差があるように思われますが、人間の生き方は今も昔も基本的に変わりがないものです。私たちも多忙な毎日を送るばかりでなく、きたし方にも思いを馳せたいと思うこの頃です。

上手くまとめることはできませんでした。もし、文中に表現の稚拙さ、不適切さがあるとすればすべて私の筆力の無さに基づくものです。

Tuesday, October 17, 2006

06.特撮ヒーローの永続性(1,099字)

今年に入って、4歳になった息子が、通っている園の友だちの影響を受けて、特撮ヒーローの名前を覚えて来ました。「轟轟(ごうごう)戦隊ボウケンジャー」、「仮面ライダーカブト」、そして、「ウルトラマンメビウス」がその代表格です。

息子に初めて「ボウケンジャー」と言われたときは、何だそれっ?と思いましたが、キャラクターの写真やテレビ番組を見ていて、これはかつて、自分が少年時代に見た「ゴレンジャー」の後継だと気づきました。その後、教えてくれたカブトもメビウスもシリーズの後継だと言うことはすぐにわかります。

当時の少年もキャラクターの格好良さに熱中し、テレビを欠かさずに見て、菓子袋に入ったカードをたくさん集めました。またごっこ遊びをして、正義の味方になりたがったものでした。
構図としてみれば、正義と悪、すなわち勧善懲悪で、捕り物帖である銭形平次や大岡越前、水戸黄門等でもお馴染みのものです。

ウルトラシリーズはウルトラQの誕生から数えて40周年、そして、仮面ライダーとゴレンジャーは同じく31周年を迎えるそうです。
主人公のキャラクターは、少しずつリメイクされて進化して行きます。また、脇役達も形を変えて、懲りずに登場して来ます。しかし、そうして番組が作られるまでには、多くの裏方スタッフが議論を戦わせ、思考錯誤を繰り返しながら、リクリエイトされたものです。

ワンパターンは変化に乏しく、すぐに飽きてしまうと思われがちなのですが、意外に聴衆(顧客)はついて来ることがわかります。ひとつのモデルを持ち、そこに妙味を加えて行って、進化させることが必要です。飽きさせない努力とでも言うのでしょうか。

以前、私が独身時代に暇を持て余し、映画館に入り、『男はつらいよ』を鑑賞したことがありました。映画館に入って席に座ると、最初は、「いい若いもん(当時30歳前)がおじさん映画を見るべきか」などと頭の中で理屈をこねていました。しかし、映画が終わる頃には、頬を涙がつたい、ハンカチを取り出す始末に陥っていました。

山田洋二監督が50話近くも渥美清(故人)を主演に撮り続けた真意は、寅さんの自由きままな生活ぶりを描くと見せかけて、実は、長兄の帰りを待っている家族の温かさ、有り難味や家族愛にあるのではと探り当てたからでした。しかしこれは私なりの解釈であり、監督ご自身に伺ったものではありませんので、本当かどうかはわかりません。

それはさて置き、ロングセラーは長く続いていると、それが当たり前になり、つい見過ごしがちになりますが、永続性のヒントを特撮ヒーローを通して考えて見ることは意義があると思って、取り上げました。

Monday, October 16, 2006

05.教育基本法の改正と言うけれど

安部新内閣の発足に伴ない、首相が所信表明演説で教育基本法の改正について触れ、取組むべきテーマとして公表されました。

先日、帰宅時に最寄駅を通ると、早速、東京都教職員組合と地元の労働組合の団体が合同で街頭演説し、同法改正反対の声明と共にビラが配られていたので、何気なく手を出してもらって読んで見ました。

読んでみると、第一条と第三条が改正案として挙がっており、個人的には第三条の改正案の方が、より重大であるとの感想を持ちました。第三条には、すべての国民に等しく教育の機会を設けることと、社会的身分、経済的地位または門地によって、教育上差別を受けないことが書かれていますが、今回の改正では、この部分を削除することが検討されているようです。

経済格差の拡大が肯定されつつある中で、所得の多寡や地位に応じた教育を与えてもよいと同法で規定することになるのです。憲法の精神から行くと、一歩後退の感が否めないような気がしないでもありません。

しかし、日々の学校現場で起きていることを思えば、すぐにでも21世紀に生きる日本人としての在るべき姿を模索して期待される多様な人材像を作り上げ、それに基づくカリキュラムを再構築し、期待される人材の育成に取り掛かることが急務と思われます(そのための同法改正なのかもしれませんが)。
現在、学校現場では、①制度疲労、②自己矛盾、③現場遊離の施策が横行し、混乱の極みにあると思えてなりません。一方、先生方の大半は時間に追われながらも子供を愛し、教育に熱心に取組んでいるように映るのですが、一部の不適応者により、学校や教育の威信が傷つけられています。

安部総理の所信表明演説の一部を読むと、学校の教育力を増加させる案が盛り込まれるようです。確かに、教員の質の低下が叫ばれる中、取組むべきテーマではあると思いますが、学校で教員を増やしたり、優秀な人材を選別して配置するだけで、輩出される児童生徒が変わって行ければ良いですね。
ただ実際、子供を取り巻く環境は、学校の他、家庭、地域、企業、社会と幾階層にも及んでいることから、それぞれで関わる人たちの意識やマナー、あるいは大人社会が変わって行かない限り、所詮、温室栽培で終わってしまい兼ねません。

大きなテーマのため、今回は不完全燃焼となってしまいましたが、また機会を改めて、取り上げてみたいと思います。

Sunday, October 15, 2006

04.ISO規格を導入しての効果

私は現在、社内向けの規格の導入を終えて、運用フェーズの維持管理を主な担当職務としています。

ここに至るまで自身が中心的な役割を果たして来たという自負はあるものの、情報セキュリティに関する規格(具体的にはISO/IEC27001とプライバシーマークを指す)の導入の前後で会社の何がどう変化したのかということが、今一つ判然とつかめていないような気がします。

先日もISOの月刊誌『アイソス』が同様のタイトルで原稿募集をしているのを目にしました。また、社内の同じ委員会で活動しているメンバの一人は、「規格の導入によって自部門は大きく変わって来た。言うことを聞いてくれる。もっと自信を持ってください。」と証言してくれました。

大分、運用が落ち着いて来たこの時期に、サマリーとして効果測定を行なうことは、今後にとって有益と思われます。

<導入で変化したこと>
①共通ルールが出来た →拠りどころとなる
②規程やマニュアルが作成された →明文化が一歩前進
③セキュリティの意識が高まった →しかし、全体で見ると単純ミスは減らず
④規格の要求事項だと言えば、渋々でも言うことを聞く →印籠のような存在
⑤取引先の中で評価してくれるところが出てきた →ISMSの取得企業または事業所は国内で2000社・所程度しかない。当社は全社で取得できた。

リストアップしたものは、いずれも定性的要因で、何からの尺度を使って数量で表現するのが難しいものばかりです。もし仮にこの5つによって正当な評価を受けられるとしたら、それだけでも導入効果有りとみなすべきでしょうか。

しかし、経営層から見ると、この程度ではまだ満足レベルに達していないのかもしれません。「企業風土の改善」や「業務効率アップ、業績への寄与」、そして「顧客への訴求力向上」といったプロジェクトレベルを超えた最終目標を示される場合も少なくないと思います。

この目標を達成するためには、取得して1,2年で完了できるほど簡単なものではありません。PDCAサイクルを大小さまざまに幾重にも回転させて、スパイラルアップして行き、全対象者に理解・浸透し、質的な面での満足度が得られて、漸く、そのレベルに到達すると考えます。従って、ここしばらくは、最終目標を目指して地道に一歩一歩確実に歩みを進める必要がありそうです。終わりのない活動はまだまだ続く。。。

Thursday, October 12, 2006

03.四国アイランドリーグについて思う

元西武やダイエーでスター選手として活躍し、またオリックスの監督としても指揮を取ったことがある石毛宏典氏が約二年前に四国アイランドリーグを立ち上げました。
同リーグは日本プロ野球機構に属さない独立リーグであり、地域に根ざし、将来プロ野球選手を目指そうとする若手選手の発掘や育成に設立の理念と運営の方針があります。

石毛氏によれば、MLBドジャースにコーチ留学した際、米国に独立リーグがあることを知り、収入や名声を目的とせず、熱い情熱の下、必死にプレーする姿に触れ、深い感銘を受けると同時に、米国ベースボールの裾野の広さを思い知らされたと某雑誌のインタビューで答えています。その後、石毛氏はダイエーを退団し、オリックスの監督に就任しましたが、成績不振等で2年あまりで辞めていました。

正直言って、本構想が持ち上がり報道されたときは、私自身すぐに賛同の気持ちを持つには至りませんでした。しかし、昨今の日本のプロ野球(特に巨人人気)の凋落を見るにつけ、あまりマスコミ報道もされないが、野球の発展のために情熱を燃やしている石毛氏のことを思い出し、スポットライトを当ててみようと思い直しました。

独立リーグは二年目のシーズンを終えようとしており、その成果については、まだ喧伝できる段階にはないと思いますが、昨秋のドラフト会議では初の指名がかかり、近い将来、独立リーグ出身のプロ野球選手の活躍にも期待がかかることでしょう。

一方、今年の夏の甲子園大会でのフィーバーを見る限り、野球のスポーツエンターテイメントもまだまだ捨てたものではないことがわかりました。そして、昨夜、25年ぶりにパ・リーグ制覇を成し遂げた北海道日本ハムファイターズの試合もテレビ観戦していて久々に興奮を覚えるナイスゲームでした。
野球が唯一のスポーツではなく、またそれが全てでないのも確かですが、わが国の少子化とスポーツの多様化で野球を取り巻く環境は決して楽観視することはできません。

石毛氏は自らの野球の経験に事業家としての「志」をプラスして、人材育成・開発に向けた開墾作業に取組んでいます。日本の野球界はプロ野球を頂点として、リトルリーグから中高、大学、ノンプロまでの幾階層にも及ぶ巨大なピラミッドを有していますが、独立リーグには野球好きや一度プロを断念した人など多様な人材が集まっているのです。

そんな彼らが日夜、汗と泥にまみれ好きな野球に没頭する中から、エリートには決して真似のできない選手になったり、コーチ、さらには球団経営者が輩出されるようになれば、野球界の将来もきっと明るいものになって行くような気がします。今後の推移を見守りたいと思います。

Wednesday, October 11, 2006

02.グーグルがまたやってくれました

◆米グーグル、ネット上で無料ワープロ・表計算
  米グーグルは11日、インターネット上でワープロや表計算ができる無料サービス
  の提供を始めた。マイクロソフトに対抗(NIKKEI NEWS MAIL)。

 この短信を見て、グーグルがまたやってくれたと感じた人は多いと思います。インター
ネットの社会基盤としての公共性を活かして、次々に新たな戦略を練り、新機軸を打ち
出すパワーには正直、驚かされます。
ビジネスユース上の二大ソフトを無料で提供し、マイクロソフトでさえ駆逐しようとする
思惑に武者震いがするほどです。もっとも、公開されたソフトがデスクトップ環境上の
操作性や利便性を備えているかどうかにもよりますが、もし遜色がないとしたら、これ
を契機に大きな地殻変動が起きて来ることが予想されます。

Tuesday, October 10, 2006

01.MyBlog開設しました

こんにちは。
この春からブログを開設しようと考えていましたが、とうとう本日開設しました。

具体的なテーマや目標は決まらず、本ブログのタイトル同様に九十九折(つづらおり)になってしまうことが予想されます。

しかし、これまで生きて来て、色々と経験した出来事や思いや考えを思いつくままに綴ってみたいという衝動に駆られて、開設しようと思いました。
日記風か、URLや記事の紹介か、はたまた写真の展示になるか定かではありません。
「まあ、何とかなるさ」という軽い気持ちで始めるのが一番かなと思って、ともかくスタートを切ることに。
こうして頼りなくも舞台の幕は切って落とされたのでした。